プロラクチン

プロラクチンは「乳汁分泌ホルモン」と呼ばれ、母乳の産生を促し月経や排卵を抑制する働きがあります。妊娠前にプロラクチンの値が高い場合は卵胞の発育を抑制したり、無排卵になる可能性があります。数値が50以上の場合は、下垂体腺腫がある可能性もあるので、精査することをお勧めします。

TSH

甲状腺ホルモンは新陳代謝を活発にするホルモンですが、妊娠の成立や維持、子どもの成長や発達にも重要なホルモンです。その分泌量をコントロールしているのがTSH（甲状腺刺激ホルモン）です。
甲状腺ホルモンが過剰な状態を甲状腺機能亢進症、また不足している状態を甲状腺機能低下症といい、どちらの場合でも妊娠経過に関係します。甲状腺ホルモンが低いと児の知的発育に影響するという報告もあります。
妊娠すると甲状腺ホルモン必要量は約1.5倍に増えるため、妊娠前から甲状腺機能を正常に保つことが重要です。
妊娠を希望する場合（妊娠前～妊娠初期13週まで）は、TSH2.5μU/ml 未満としています。

クラミジア

性行為感染症の一つです。
感染症を放っておくと卵管閉塞や異所性妊娠を起こしやすくなります。大半は無症状のため感染に気がつかず、治療の機会を逃してしまいます。
今回の抗体検査では、過去に罹ったことがある方もしくは現在罹っている方は陽性となります。
陽性の場合は、抗原検査の実施をお勧めします。抗原検査で陽性が出た場合は、抗生剤での治療をします。

AMH（抗ミュラー管ホルモン）

発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンです。
この検査は卵巣に残された卵胞の数を予測するもので、卵子の質とは関連しません。AMHの測定値は個人差が大きく、若年女性でも低い場合や高年齢の女性でも高い場合があります。年齢と共に減少し、閉経の頃には無くなってしまいます。
※表はAMH測定値の年齢別分布を示しています。

プライマリーセット

プロラクチン・TSH・クラミジア・AMH

ビタミンD

ビタミンD不足は着床障害等、不妊の原因となる以外にも妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群、胎児発育不全の頻度を増加させるという報告もあります。
最近では、血中ビタミンD濃度が充実している女性では、妊娠率や継続率が高いことが知られるようになりました。妊娠初期には調べておきたい項目です。

葉酸

体内の葉酸濃度が高い女性ほど妊娠率が高いことを示した研究があります。
葉酸はビタミンBの一種で、新しい赤血球を作る、妊娠初期の活発な細胞分裂時にDNA の合成を行うという役割があります。卵子は受精後、蓄えられた栄養素で発育を続け、約5～7日後に子宮に着床し、着床後は子宮からも栄養を得て成長していきます。妊娠を意識し始めたら、ご自身の葉酸濃度を検査する事をおすすめ致します。

フェリチン

最近ではフェリチン不足による隠れ貧血が、不妊治療に大切な卵巣機能や子宮の働きに影響がある事が知られるようになってきました。フェリチン不足では卵子の成長の妨げや、排卵障害、無排卵等の様々な症状が現れ、質の良い卵子にならない事や、ホルモン分泌にも影響が現れると言われております。不妊治療を始める際には検査をしておくと良いでしょう。

• 血液一般検査
• 肝臓・腎臓機能・脂質代謝・血糖

受診からおおよそ1週間程で検査結果がでます。
検査結果の説明のためご来院いただくか、検査結果のみ知りたい場合は郵送をお選びいただけます。

今後の妊娠についてご相談をお受けいたします。
必要に応じて治療のご案内もいたしますが、その場で答えを出す必要はありません。
ご夫婦で話し合っていただく際の一つの道としてお考えください。